弊社ではアルミニウム溶解時に発生するアルミニウム灰(ドロス)から、アルミニウム溶液(メタル)を回収する機械装置を主に設計・製造しています。

アルミニウムは溶解する際に、必ずと言っていいほど熱灰(ドロス)が発生します。
通常、アルミ溶湯上のドロスを炉内より除去すると、一気に空気中の酸素を吸収し始めて発熱し(そのまま放置しておけば1000℃以上に達する事があります)、ドロス内のアルミメタル分は侵食され続けて酸化アルミと化してしまいます。
また炉内より取り出されたドロスには通常60%程度のアルミメタル分が含まれていますが、時間をかけ自然冷却した灰からは15〜25%程度しか回収されません。

弊社のアルミドロス絞り装置を使用する事で、速やかに効率良くメタルを回収する事が出来ます。
またアルミニウムの敵と言われるテルミットを逆に利用するので燃料が要らず、従来かかっていたコスト(灰委託加工・品質チェック等)を削減出来ます。

 
アルミニウムは鉄より酸素を吸収しやすいため、アルミニウムと酸化鉄の粉を混ぜて着火すると酸化鉄の還元反応(アルミニウムの酸化反応)が起こり、高温で燃焼する現象です。別にゴルトシュミット法とも言われます。山岳部のレールの溶接などでこの技術が用いられています。

 
アルミニウムが発火すると酸素を吸収しやすいという反応を利用して、炉内から回収したドロスを発熱させ、その熱源を利用してドロス内のアルミニウムを溶融し回収します。
しかしテルミットと違い酸化鉄を混ぜることが出来ないので、酸素の吸収源が空気中からのみになります。よってドロスを捌いて酸素の吸収を良くする必要があります。